兵庫県には、全国的に有名な温泉地がいくつもあります。
有馬温泉
それらのなかでも特に有名なのが、神戸市の北区にある有馬です。
有馬は日本三古湯や日本三名泉に数えられ、平安時代の枕草子にもその名前が登場しそこでも三名泉の一つにされています。
江戸時代に作られた番付でも西の大関に格付けされ、これは当時の最高位です。
戦国時代の豊臣秀吉も愛したとされており、合戦や任官など人生の節目節目でたびたび訪れ、その回数は9回にも達したとされています。
秀吉は下々のために湯船を設置するなど有馬の発展にも力を入れ、現在でも駅前に銅像が設置されていたり、対抗足と呼ばれる橋も設けられているほど地元の人々にも愛されています。
金泉と銀泉
有馬にある温泉の特徴といえば、金泉と銀泉です。
金泉はお湯のなかに入っている成分が空気に触れることによって着色し、まるで金色のように見えることから名付けられました。
金泉以外の透明なお湯は銀泉と呼ばれており、無色透明です。
このように一つの土地で2種類のお湯が楽しめるので、有馬を訪れたどちらのお湯にも入って比べてみましょう。
神戸市の中心部や大阪からも短時間で行ける
有馬は関西の奥座敷とも呼ばれており、神戸市の中心部や大阪からも短時間で行けるのが魅力です。
神戸市の中心部から私鉄に乗れば電車一本で行けますし、大阪市内からも電車なら約1時間15分ほど、高速バスなら約1時間となっています。
関西では頻繁にバスツアーが企画されているので、地元である兵庫県以外からも多くの観光客が訪れ、京都や和歌山、滋賀に奈良と関西一円から気軽にいけます。
これほど短時間で行ける場所にありながら、周囲には六甲山地が広がり自然豊かなロケーションです。
都会の喧騒を忘れてゆっくりと古から愛され続けてきたお湯を楽しめるので、週末の小旅行や日帰りにはぴったりです。
関西で家族や友達、恋人と落ち着いた時間を過ごしたいときには、オススメのスポットが有馬です。
城崎温泉
兵庫県で有馬と並ぶ有名な温泉地と言えば、日本海側にある城崎です。
城崎は兵庫県の北部、豊岡市にありこちらも有馬と同様長い歴史があって、江戸時代の番付では西の関脇でした。
平安時代以前から知られており、海内第一泉と江戸時代には呼ばれてもいました。
7つの外湯があり、特に入っておきたいのは一の湯です。
一の湯は元々新湯と呼ばれていましたが、江戸時代中期に漢方医から海内一、いわゆる日本一と評され名前が改められました。
城崎の正装は浴衣に下駄履き
こうしたさまざまな外湯を楽しめるのが城崎の魅力ですが、町をあるくときには正装をしましょう。
正装でイメージするのはスーツやドレスですが、もちろん城崎ではそうしたかしこまった服装を正装とは言いません。
城崎の正装は浴衣に下駄履きであり、実際に町には多くの観光客が浴衣で外湯めぐりを楽しんでいます。
城崎にある宿では館内で着用する浴衣とは別に、町を歩くため用の浴衣も用意していて、町歩きをしているときに着崩れしたら直してもらえる施設もありました。
町の景観も豊岡市が条例を制定し保護していて、レトロな木造建築の旅館が立ち並んでいますから、名泉に浸かりつつ情緒のある雰囲気を楽しめるでしょう。
日本の歴史と情緒感じられる町並みでもあることから、日本人だけではなく外国人旅行者も多く、特に欧米やオーストラリアからの個人客が多いのは特徴になっています。
城崎のある日本海側はカニの名産地
城崎も関西一円から多くの観光客が訪れる場所で、特に人気があるのは冬です。
城崎のある日本海側はカニの名産地でもあり、ブランド蟹の松葉ガニは全国的に有名です。
そのため関西の各地からカニと温泉を同時に楽しめることから、バスツアーでも人気を博しています。
美味しい冬の味覚である松葉ガニに堪能しつつ、同時に名湯に入り日頃の疲れも癒せる、これほど贅沢な旅行はないでしょう。
最高の贅沢を楽しみたいなら、オススメできるスポットです。
湯村温泉
有馬と城崎に続き有名なのが、湯村です。
湯村は平安時代の848年に開湯された非常に歴史のある温泉で、山陰地方の山峡にあります。
周囲を山に囲まれていることから落ち着いた雰囲気が漂っており、1981年には連続ドラマの舞台にも選ばれました。
そのため有馬や城崎と並び全国的な知名度は高く、兵庫県を代表する名湯の一つに数えられています。
湯村は美人の湯と知られており、日本最大級の足湯もあります。
源泉温度は日本一とされる98度で、余った分は川にそのまま流されますから、冬には川から湯けむりが立ち上りなんとも言えない風情があります。
町としての規模は大きいものの、関西での知名度は有馬や城崎と比較したら落ちるかもしれません。
しかし閑静な雰囲気でありのんびりと過ごせるので、ゆっくりと温泉を楽しみたいときにはおすすめです。
まとめ
兵庫県にはこのように名湯と呼ばれる有馬・城崎・湯村の3つがあり、その他にも赤穂や姫路の奥座敷とも言われる塩田、淡路島の洲本などにもあります。
どこも日帰りで楽しめるほど都市部からも近いので、気軽に名湯を楽しむことができます。