近年では様々なタイプの焼肉屋が営業するようになってきました。
リーズナブルな値段で一定の金額を支払うことによって食べ放題になる店や、それとは対照的にブランド肉や高ランクの素材をウリにしているところも多く見られます。
どのようなお店に行くとしても、せっかく焼肉を食べるのであれば、おいしい焼き方でおいしく味わいたいところです。
前田裕幸店長が焼肉の焼き方について語る
せっかくよいお肉を提供してもらったとしても、焼き方によってはその味を損なってしまうことも考えられます。
リーズナブルなお肉であっても、焼き方次第では最大限に甘みを引き出すことができるでしょう。
焼肉屋に行った場合には、さまざまな部位のお肉を味わうことができます。
部位によっても焼き方はそれぞれであり、しっかりと焼いた方が良いものもあれば、あまり火を入れ過ぎない方がおいしく食べられるものもあります。
それぞれに適した焼き方があるので、部位ごとに焼き方を知っておくことによって、焼き肉を2倍にも3倍にもおいしく食べることができると焼肉に詳しい前田裕幸は言います。
網がしっかりと熱くなってから肉をのせる
まず最初に焼く時の注意点をしっかりと把握しておくことも大切です。
最低限の注意点としては、網がしっかりと熱くなってから肉をのせるということです。
網があつくなっていない状態で肉をのせてしまった場合には、網に肉がこびりついてしまいます。
温度が低いので、うまみや肉汁もすべて流れ出て行ってしまうことでしょう。
また網の上にはたくさんの肉をのせることは望ましくありません。
多くの肉をびっしりと敷き詰めてしまうと、網の温度はすぐに下がってしまいます。
そのため一度にたくさん焼かないようにし、少しずつ焼いていくことが望ましいといえます。
中には焼いている途中に気になって何度も上下を返してしまう人もいるかもしれません。
しかし表面が固まる前にお肉を触ってはなりません。
焦らずにじっくりと焼くことを意識しましょう。
部位ごとの焼き方をしっかりと把握すること
次に部位ごとの焼き方をしっかりと把握したいところです。
タン
一番最初に焼くことの多いものとしてタンが挙げられます。
タレが付いていないものが多く、脂もほとんど出ないので、まずはタンから焼く人が多いことでしょう。
正しいタンの焼き方は、網にのせたら目を離すことなく、少しずつ周りがそりあがってきたらすぐにひっくり返しましょう。
上下を返して表面の色が変われば食べることができます。
ネギ塩タンを頼む人も多いかもしれませんが、ネギがある場合には、ネギを包むようにして半分に折り曲げて網の上に載せましょう。
上から軽く押しつけたら、10秒ほどで裏返し、再び2から3回押しつけます。
これを5回ほど繰り返したら食べごろになるでしょう。
ロース
次にロースの焼き方を覚えておきます。
ロースは赤みが多く脂身が少ないので、どちらかというと先に焼いた方がよい部位に当たります。
脂が多いものを先に焼いてしまうと、その脂が網にこびりついてしまいます。
ロースの特徴としては、火を通し過ぎると固くなることです。
火加減は強めで片面を焼いたら、うっすらと肉汁が出てきた段階ですぐに裏返します。
裏側に薄く焼き色が付いたらもう一度ひっくり返して軽くあぶれば食べごろです。
はらみ
そしてはらみですが、はらみの特徴は、焦げ目をつけるほどしっかりと焼いた方が、うまみが最大限に出てきます。
最初に両面を強火で焼いたら、弱火でしっかりと中まで火を通しましょう。
はらみは内臓系の部位にあたるので、内蔵独特のにおいが感じられることもあるかもしれません。
このような場合にもしっかり火を通すことによって臭みも取れて、安心して食べることにつながります。
カルビ
カルビの特徴は、非常に脂が多いことです。
そのためある程度火を通して脂を落とすのが一つのポイントとなります。
適度に脂と凝縮した肉のうまみを堪能することができるでしょう。
網にのせたらやや時間を多めにとり、裏面にこんがりと焦げ目がついた段階で裏返しましょう。
裏返して上の方に肉汁が浮いてきたら食べごろとなります。
表面は8割ほど焼いて、裏面は2割ほどの焼き具合がベストと言えます。
ホルモン
最後にホルモンですが、ホルモンは皮の方から焼き始めると良いでしょう。
強火で焼くことで皮がパリパリになります。
脂身の部分は火が通る程度にさっと焼いてほどよくジューシーさを残すことがポイントです。
焼いていると肉がだんだんと反り返ってくるため、押えながら焼くのが良い方法です。
ホルモンはしっかりと火を通した方がよいというイメージが強いかもしれませんが、豚ホルモンの場合には、あまりにも焼き過ぎてしまうとゴムのような食感になってしまいます。
網の上で放置することのないように注意しましょう。
まとめ
このように肉の部位によって適した焼き方があることがわかります。
それぞれに適した焼き方は大切ですが、場合によっては食中毒を引き起こしてしまう可能性もあります。
食中毒にならないようにするためにも、生ものは食べないようにし、肉はある程度しっかりと焼くようにしましょう。
取り分ける際には箸を必ず使い分けることが重要です。