日本は国を挙げて、世界の発展途上国に対して支援をしています。
その中で、建設関係者というのは国からの要請や現地の企業からの要請などによって技術者として派遣される事が多くあります。
私は建設関係の仕事をしていますが、多くの特殊機械を含む建設機械の免許を持っているせいか、海外に長期間派遣される事が少なくありません。
私が今まで行った国は全てアフリカの発展途上国です。
日本の様に、便利な生活をしていると、いかに自分が日頃恵まれた生活をしているかを意識する事はありませんが、現地に行くとあわゆるものが足りません。
その為現地で調達できるものでできる限りの事をしなければなりません。
しかし、それにも現地でインフラ整備をしようと思うと足りないものが出てきますので、多くの建設機械や道具は持ち込みをします。
日本の公共事業では当たり前にされているので、私達にとってはそれほど珍しい機械ではないのですが、現地の人にとっては生まれて初めて見るような機械ばかりなので、まず操作方法を学ばせる時に苦労をしました。
人間は初めて見る物体に対して好奇心を持つと共に、恐怖心を覚えます。
その為、機械に触りたがりません。
その為、まずは機械の細かい部品の説明から始めました。
これから自分が使用することになる機械がどのような細かい部品によって成り立っているのかを把握する事で、建設機械を身近に感じてもらうようにしました。
この細かい部品の知識を身につける事は、別の側面もあります。
発展途上国には慢性的に物品が不足しています。
ましてや現在世界中で出回っている建設機械というのは日本製が多いので、故障すると日本から部品を取り寄せなければならない事も少なくありません。
その為、一度故障してしまうと、時間も費用も浪費してしまいます。
その為、故障した場合は、できるだけ現地で調達できる部品を見つけなかればなりませんし、そもそも部品を取り寄せなければならない故障なのかの見極めも必要です。
そこで部品の知識を知っていればどの程度の故障なのか判断ができますし、自分たちで直せるものは修理する事ができます。
その為、現地の方には、私達と同様に完璧な知識を反復して学習してもらいました。
その上で、建設機械の操作を学んでもらう段階になると、最初は触る事もしなかった皆もすんなりと操作方法を学ぼうと変わりました。
操作方法に関しては、まずは私たちが実践をしてみてもらう事から始めました。
私たちの会社からは私を含めて3人が派遣されていましたが、現地で学ぶ人は40名でしたので、実際に皆が機械を操作できるようになるまでかなりの時間を要する事になりましたが、物覚えが多い方が多かった事もあり、最終的には私たちと遜色がないほどの技術を習得してくれました。
最後に作業中に起こりうる事故の可能性などを含めた安全管理を重点的に学ぶと共に、実際に事故が起こってしまった時の対処方法などをしっかりと学んでもらいました。